2017年8月11日金曜日

ペダリングモニターのひずみゲージ

数少ない、貴重な、本ブログに興味をもっていただいた方から、メッセージをいただきました。パイオニアのペダリングモニターのひずみゲージ配置を知りたいとの内容です。
このような高度な質問に限らず、初歩的な小学生からの質問、小学生になりすました大人からの質問も歓迎です。



パイオニアのおにぎりは単品販売もあったようです。

ペダリングにより、クランク・アームが下方向に踏まれると、ひずみゲージF1は伸び、F2は縮みます。
これによりトルクを算出できますが、ハーフ・ブリッジであることもあり、このひずみゲージ配置では、クランク・アームのねじれに弱いです。
具体的には、同じパワーでペダリングしても、内側で踏むより外側を踏んだ方がよりパワー値が大きく表示されます。外側を踏むとクランクアームがより捻じれ、ゲージF1がより伸びてしまうためです。
4iiiiは、捻じれの程度を計測するshearゲージ(45度方向の伸びを計測するゲージ)を追加で配置して、この問題を補正しています(特許出願にそう書いてあったので)。

こう書くと、パイオニア製品をけなしているようですが、個人的には、よい戦略の製品だと思います。
パワー値だけを計測するパワーメーターでは、すぐに価格競争に巻き込まれてしまうので、あえてペダリングモニターというものを生み出したはずで、今後も頑張ってほしいです。実際、チーム内でも、パイオニアペダリングモニターで特訓の結果、FTPを30%以上のばしているケースもあり、捻じれ問題は懸念するに足りないと思います。後はペダリングモニターでなければできない、決定的なメリットを主張できれば、とてもよいのですが・・・

歪ゲージY1とY2は、クランクアームの長手方向の伸びを計測します。クランクアームが伸びると、Y1は縮み、Y2は伸びます。正方形のゲージ(Poisson Guage)は、このような用途の計測に向いているそうです。

ゲージF1、F2で計測される回転方向の力と、ゲージY1,Y2で計測される長手方向の力を比較すれば、どの方向に踏んでいるか判定でき、ペダリング方向のベクトル表示が可能となります。

なぜ、F1,F2とY1,Y2はそれぞれハーフブリッジか・・・特許出願によるとコストが一つの要因のようです。
特注のひずみゲージは、それなりの価格であると、某外国メーカーがインタビューで答えておりました。