■グループ2:パワー算出用のトルク検出用とは別に、余計な力成分の検出用ひずみゲージを設けてパワー値の補正をしている。
Shimano、Quarq Cinqo、4iii
以下、パイオニア特許図面です。
ペダルの外側を踏むと、赤の矢印方向に捻じれがより大きく生じ、ひずみゲージ369a8は伸びて、369b8は縮む。
これを利用すると、どの程度ペダルの外側を踏んでいるか把握できるので、このデータを利用してパワー値を修正する。
4iiiの米国特許出願でも同様の記載があります。
試しにやってみた。
結果は・・・キャリブレーションが面倒。
パワー測定用のひずみゲージ回路とは別に、補正用ゲージのキャリブレーションも緻密に行う必要がある。
お手軽パワーメータを目指す今回の目的には合致しないので、どうするか悩み中です。
ただ、この方式を実装すれば、設計が
■グループ3:上記グループ2のような補正はないが、構造上、余計な力成分の影響をあまり受けない。
SRMを見習ってスパイダーアームの以下の赤丸位置にひずみゲージを張って、ペダリング。
結果は・・・ひずみの変化量が足りない。
剛性がなく柔らかめのTiagraクランクでテストしましたが、あまり歪の変化がない。
ひずみゲージを張る位置を見直して再度トライする予定です。
もう一つ、正確なpowertapハブのように、円柱の軸にひずみゲージを張り、トルクを測定する方法。
以下のように、クランクシャフトの中にひずみゲージを張ってペダリング。
これは、正直、一番期待していました。
構造はpowertapと同じに思えたし、ひずみゲージ、充電池、電子回路をすべてシャフト内に収納できる。
見た目が以下のようにすっきりするし(写真はボケてますが)、失敗してもクランクの外観に傷がつかない。
結果は・・・ペダルの外側を踏むとパワー値が小さくなる。
「またまた冗談でしょ」
と再度ペダルの踏位置を外側に。
結果は同じ。ガックシ。
円柱にひずみゲージを張る場合、以下のOMEGA社の解説の図Fのように張る。
Powertapハブも同じ。
しかし、クランクシャフトの場合、左のクランクアームがボルトで固定されるため、ペダルの外側を踏むと、クランクシャフトが外側に引っ張られて、すべてのひずみゲージが横み引っ張られて縮んでしまう。
この結果、パワー値が小さくでてしまうと推測。
では、この方式を採用しているRotorのINPowerは大丈夫なのか?
ある記事に「INPowerは、大きなトルクで低回転で踏んだ場合、またスプリントで800w以上出した場合に、パワー値が低く出る」とのコメントが。
要は、大きなトルクでシャフトが外側に引っ張られて、パワー値が小さく計測されるような。
私の実験結果と同じ?
この方式の最大の欠点は、ひずみゲージの張りにくさ。
ゲージの接着に2回ほど失敗して、心が折れました(不器用なので)。
とてもお手軽とは言えません。
■グループ4:パワー算出用のトルク検出は行うが、補正は行わない(潔い)。少なくともホビーレーサーのFTP領域以下では、補正を行う必要はなく、正確。
結局、現時点で、一番お手軽なのは従来通りクランクアームの上下に4枚ひずみゲージを配置する方法かと思います。
でも、クランクのねじりに対する補正はありません。
でも、クランクのねじりに対する補正はありません。
したがって、動物園で、象さんに
「ペダルの外側を踏んで、パワー値が大きく出るか見てくれる?」とお願いして
「分かったゾウ」(寒)
と了解してもらえば、すぐに影響が出るとは思いますが、人力の場合は不明です。
以下の左のゲージは、eBayでよく販売されている幅広のもの。
右のゲージは某国産の曲げ測定用のもの。
左の幅広タイプのゲージは、右のタイプに比べて、ペダルの外側を踏んだ際に生じる捻じれによく反応してしまう。
ネット上に、この幅広タイプのゲージをクランクアームに付けて「簡単にパワーメータを作れた」という記事もありますが、おそらく、ペダルの外側を踏むと、問題にぶつかると推測してます。
右側の細長のゲージをフルブリッジ(ゲージ4枚構成)で、クランクアームのペダル軸に近い場所に配置したところ、700w(私がペダルの端っこを踏んで安定出力できた最大値)程度では、ペダルの外側を踏むことによる影響はでていません。
以下のサイトでは、FEAによる分析で、クランクの捻じれがどのように出るか、CG化されています。ひずみゲージの位置決めの参考になります。
ttps://hackaday.io/project/2314/logs
パワートレーニング本にあるトレーニングメニューでは、FTPの200%までしか使っていません。
とすれば、700wを正確に計測できれば、FTP350wまでは対応できることとなります。
FTP300wを切って久しい私には十分で、もう、この方法でいいじゃん、という誘惑と格闘中です。
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